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第40回塗料・塗装研究発表会レポート
第40回塗料・塗装研究発表会が、2025年3月19日に、東京大学生産技術研究所コンベンションホールにて、対面で開催されました。
当日は、日本塗装技術協会工藤会長の開会挨拶に続き、午前の部3件、午後の部5件の、計8件の一般講演が行われました。
新たな材料の開発、分析に関して、「プレコート鋼板の耐食性に及ぼす塗膜の水蒸気透過性の影響調査」、「CO2排出量削減に貢献するプレコート鋼板の検討」の発表が行われました。
新たな塗装機器、設備の開発に関して、「脱炭素社会に貢献するエア静電自動ガンの開発」、「大気圧プラズマ放電を用いた排気処理装置の開発」の発表が行われました。
形成された塗膜の評価、分析とその影響に関して、「像の鮮明度測定技術」、「分光老化試験機による分光劣化特性評価技術」「自動運転車のミリ波レーダー透過性における塗膜の影響因子解析と最適化」の発表が行われました。
塗装機器の安全性試験方法に関して、「可燃性粉体塗料用静電ハンドスプレイ装置の安全要求事項および試験方法」の発表が行われました。
各研究が、様々な視座、視野、視点の下で行われており、コーティングに関連する非常に広範囲の分野について、様々な切り口から、環境を念頭におきつつ、新たな時代を見据えた技術も盛り込まれた、非常に多種多様な内容の興味深い研究成果が紹介されました。塗料・塗装の研究・技術の領域の広さと、さらなる発展の可能性を感じることが出来る研究発表会となりました。
特別講演として、今回は、エナジェクス株式会社の川内伸之様に、「温泉熱の有効利用が再生可能エネルギーの最適解−」 と題して、ご講演を行っていただきました。
参加者からは、「再エネ活用への関心がさらに深まりました」、「地熱発電の可能性についてあらためて感じることができました」、「普段あまり知る機会のない分野の講演であり、知見を広めることができる良い機会となりました」などといった感想が寄せられ、大変ご好評をいただきました。
今回の研究発表会は、6年ぶりの対面での開催となり、発表者は聴講者の反応を感じながら発表され、質疑応答も、聴講者と発表者が直接顔を見ながら行われ、活発でより中身の濃いものになりました。直接討論する対面開催での良さを感じられるものになったのではないかと感じております。
研究発表終了後、研究発表委員による審査が行われ、予稿集の内容と当日の発表内容を総合的に判断し、日産自動車株式会社のホ チータック様、筒井宏典様、鈴木達也様のご研究で、ホ チータック様が発表された、「自動運転車のミリ波レーダー透過性における塗膜の影響因子解析と最適化」が、研究発表優秀賞に決定されました。
対面開催ということで、発表会に引き続き交流会が開催されましたが、その席で、研究発表優秀賞の表彰をしております。交流会では、時間の関係で発表会では討論しきれなかった内容を、参加された皆様で直接お話になり、情報交換や業界の動向の把握などの面で、大変有意義な場になりました。
第40回の研究発表会が盛会のうちに終えることが出来ましたことを、発表者および共同研究者の皆様、特別講演講師の川内様、参加者の皆様に心より御礼申し上げます。また、発表会の運営にご尽力いただきました、日本塗装技術協会の関係者の皆様、研究発表委員の皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。次回の研究発表会にもぜひとも数多くの一般講演の申し込みをいただいて、さらに活気のある研究発表会として発展させ、塗料、塗装業界を盛り立てていきたいと思いますので、皆様の積極的なご参加をお願いいたします。
研究発表委員会委員長 畠隆行
主催 | 一般社団法人日本塗装技術協会 | | |
協賛 | 日本化学会 | 色材協会 | 日本塗料工業会 |
| 日本塗装機械工業会 | 高分子学会 | 日本工業塗装協同組合連合会 |
| 日本防錆技術協会 | 材料技術研究協会 | 日本レオロジー学会 |
| 日本印刷学会 | 日本建築仕上学会 | 日本油化学会 |
| 腐食防食学会 | 自動車技術会 | 静電気学会 |
| 日本粉体工業技術協会 | 国際工業塗装高度化推進会議 | エポキシ樹脂技術協会 |
(順不同)
期日 | 2025年 3月 19日(水) 10:40 〜 16:50 |
会場 | 東京大学生産技術研究所コンベンションホール(東京都目黒区駒場4−6−1)
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| | 一般発表8件
| 参加登録費 | 当協会会員・協賛学協会会員 | 8,800円
| 同35歳以下 | 6,600円
| 学生会員・研究室学生会員 | 1,100円
| 非会員 | 11,000円
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[開会挨拶]
10:40〜10:50 | 一般社団法人日本塗装技術協会 会長 東京大学 生産技術研究所 教授 工藤 一秋 |
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